【開催報告】オンライン対談「生成AIとコミュニケーション」
- socialedu1946
- 10月9日
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10月6日(月)、オクトーバー・ラーニングの1企画、対談「生成AIによるこれからの学びの可能性を探る」が開催された。
瀬沼文彰さん(西武文理大学)と、諏訪玲子さん(連載執筆者、シェアリング・ラーニング共同代表)が、AIについてコミュニケーションという視点から話し合った。

★瀬沼文彰さんから
・以前、吉本興行の芸人をしていたが、現在は大学でコミュニケーション学を研究している。
・若者のコミュニケーション、キャラ文化、笑いの研究を背景に、生成AIと人との関わりを考察している。
(社会教育誌2025年10月号「生成AI時代の若者の情報・活動のとらえ方」24ページ参照)
・若者世代は、生成AI(ChatGPT)を“検索”よりも“相談”の相手として使う傾向がある。
・生成AIは「自分の情報を覚えてくれる存在」として、家族や友人以上の“理解者”になる可能性。
・その一方で、AIに頼りすぎると「誰の言葉か」「信頼の根拠は何か」が曖昧になる危険も。
・「AIを使っている」と打ち明けること(カミングアウト)が、職場や人間関係で信頼を下げるという研究もある。
・コミュニケーションの「疲れ」を軽減してくれる優しいAIの存在は魅力だが、対人関係の希薄化や倫理的課題も残る。

★諏訪玲子さんから
・AIを使うと、コミュニケーションコストがかからない。人と仕事していると、やりとりで疲れるなど無駄な時間を取られることもある。コミュニケーションは疲れる面がある。
・ChatGPTに「どう使えばいいか」を尋ねたことから、“AIとの関わり方”をまとめた記事を作成した。
(社会教育誌2025年7月号連載「まちの不思議おもしろ探究日記」66ページ参照)
・「ChatGPTと仲良くなる8つの関わり方」として、メモ整理、要約、秘書的サポート、自己対話の相手などを提示した。
・思考やモヤモヤを整理・言語化してくれる
・自己との対話、あるいは仮想恋人のような「ずっとそばにいてくれる存在」。
・新しいものを一緒に作っていく共創パートナー、など。
・記事の署名を「諏訪玲子 and ChatGPT」としたが、AIを共著にすることの意味について編集部内でも議論があった。
・「AIと共に書くこと」を公にすることの意義や抵抗感、信頼性の揺らぎを実感。
・学びを記録することに、うまくAIを活用できるよう模索している。
●議論の主なポイント
・人間関係における気疲れやストレスから解放してくれる「優しいAI」の存在は、非常に魅力的。しかし、人間と遜色ないアンドロイドが現れた時、私たちは気を使う他者との対面コミュニケーションを選び続けるのか、それとも疲れないツールとしてのAIとの対話に移行するのか?
・面倒くさいコミュニケーションにも、意味があるのでは?
・AIのアドバイス通りに物事がうまくいった場合、ユーザーはAIに依存し、次も聞かざるを得なくなるという状況が生じ、主体としての自分が失われる可能性がある。
・私たちは「言葉が内側から出ている」と信じたい。その信頼構造がAIによって変化している。
・コミュニケーションは明文化されない“儀礼”の上に成り立っており、AI活用はその枠を揺さぶる行為でもある。
・今後は「AIとの共創」をどう社会的に認めていくかが課題。
参加者と対話
その後、30分時間を延長して、参加者と瀬沼さん、諏訪さんとの対話が展開された。 AIとどう付き合うのか、答えはない。それぞれが感じたことをコメントしながら、考えを深めていった。




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